中原秀樹(ノリーズプロスタッフ 山中湖マイスター)
(巻きモノアイテムインプレッション①より)
そして新製品のロードランナー ヴォイス HB710LL。
このロッドは、ガイドはセミマイクロでやや張りを持たせていて、
バットパワーはHB760Lとさほど変わらず、逆にベリーにかけてはちょっと強いくらい。
ティップはかなりソフトで、ファストテーパーになってます。
最初使った感想は、正直投げづらくなった、と思いました。
なぜかというと、ロッドがしなりにくいからです。
でも張りがあるっていうことは、逆に操作性が向上したということ。
HB760Lはガンガン投げてガンガン巻き、中層でもボトムでもコンタクトしてヒラを打たせ、
自然なルアーアクションで釣っていくロッド。
反面、HB710LLはゆっくり巻けばルアーそのものが持つ、ゆったりとしたキビキビアクション、
早く巻けば、極端に言ってHB760Lよりロッドが固定されるわけですから、
よりキビキビとしたアクションとなり、HB760Lとは異なったアクションをさせられると思います。
ですので、中層のタダ巻きでHB760Lでは食わない、もしくはショートバイトになるところが、
HB710LLではキッチリ食ってくれるということもあるかもしれません。
ウィードをほぐす際にも、ベリーからバットの強さでしっかりほぐせますし、
なおかつ、キビっとしたアクションでヒラを打たせられる、いわば攻めのロッドというイメージです。
ロッド自体も軽くなっていますし、HB760Lより12cm短くて張りがあり、
ティップの反発力でショートキャストもやりやすく、
アシ際やオーバーハング、レイダウンを狙うときに、アシやレイダウンの枝の1本1本を
交わしながら巻いてくる、といった芸当もやりやすくなっています。
また、HB760Lではティップが入りすぎて根掛かるかもしれないようなポイントを
攻めやすいと思いますので、山中湖のようなオープンなフィールドはもちろん、
河口湖やダム湖、アシやがまがあるストラクチャーの多いフィールド、エリアで
ストラクチャーを交わしながら釣っていくといったシチュエーションにもいいと思います。
張りがあるからノリが悪いのでは?と思うかもしれませんが、
そのあたりはこのソフトティップがきっちり仕事をしてくれると思いますよ。
写真のバスは、HB710LL+ショットオーバー2(246:タナベセレクトタイガーII)で釣ったバスです。
これは水深2.5mくらいの場所にある、高さ50cm位の腐れウィードに着いていたと思われるバスで、
ピックアップ時水面直下で食ってきました。
水深2.5mまでも浮かせて釣ってしまう、ショットオーバーシリーズのパワー!
ショットオーバーシリーズについては、次回「巻きモノアイテムインプレッション③」で説明します。
また、ロッドネーミングとはかけ離れていますが、
HB710LLは意外とメタル系とも相性がいいと最近思っています。
最近、山中湖でTGジャカブレードのリフト&フォールにはこれを使っています。
軽くてバットが強く、障害物に引っかかってもロッドアクションで割とポロッと外れてくれ、
また早春の吸い込みの弱いバスも、ソフトティップがきっちり乗せてくれると信じて使っています。
もちろん早春に限らず、最近の関東のタフレイクではショートバイトが異様に多いので、
こういったロッドがもしかして求められているのかもしれません。
今後巻きモノはもちろんですが、軽めのメタル系にも使い込んでみたいと思っています。
(巻きモノアイテムインプレッション③に続く)